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本音を話せない里親
里親制度は子どものための制度ですが、里親が一人で頑張る仕組みではありません。 里親家庭を中心にチームで子どもを育てていくという考え方で制度はつくられています。 だからこそ、困ったときや迷ったときは、いつでも相談していいし、頼っていいことが前提となっています。 でも、相談するということは簡単なことではありません。 わたしも里親として子育てしながら「言えないこと」「言えなかったこと」は沢山ありました。 それは、今でも簡単に人に話せるようなことではありません。 支援者は「気軽に相談してくださいね」と優しく声をかけてくれますが、本当に相談したいことは気軽に相談できません。相手が支援者だからこそ話しにくいこともあるのです。 しかし、今は支援者側の立場にもなり、これまでの里親支援の現場を振り返ると、「もっと早く本音を話せていたら、違ったかもしれない」そう感じる場面が本当にたくさんあります。 「子どもがかわいいと思えない」 「感情的になって思わず…」 「家族との関係に修復できないような亀裂がある」 「想定していないような事態が起こった」 それは、決して特別なこ


サナギの時期
新年あけましておめでとうございます。 今年も皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、私はほだかの里以外に自立援助ホームでも働いているのですが、このブログを書いている少し前の12月の中頃、宿直明けの帰りに、ホームの玄関先で1匹の蝶を見ました。こんな時期でも蝶がいるんだなぁと思いながら、蝶が飛ぶのを見ていました。寒空の下を風に流されまいと羽ばたいている蝶を見守りながら、ホームにいる子たちも無事に外に羽ばたいていけますように、と祈るような気持ちになりました。 かつてはアオムシの時期を過ごしたその虫は、サナギの時期を経て蝶になります。人は蝶ではないけれど、人にもアオムシの時期やサナギの時期が必要です。心理学者の河合隼雄先生は思春期をサナギに喩えていました。私も思春期の子たちと関わっているとそう思います。 「思春期」と掛けまして、「サナギの時期」と解く。その心は・・・。 これまでの経験から感じてきた「・・・」の部分を少し言葉にしてみようと思います。 食べたい、眠たい、これやりたい。そんな時期がアオムシです。この


子どもと過ごす時間
いよいよ今年も終わりが近づいてきました。これから子どもたちも冬休みに入り、クリスマスにお正月にと家族で過ごす時間も増える季節ですね。みなさんはどんな風に家族時間を過ごされますか?? 我が家では先日、少し早いクリスマスをお祝いし、週末放送された漫才の番組を家族揃って楽しみました。家族全員で大笑いしたのは久しぶりかもしれません。子どもたちも大きくなり、各自で過ごす時間が増える一方で、時々ではありますが、夕食後そのまま夜遅くまでリビングでおしゃべりをすることも増えてきました。それでも、家族全員が揃って同じ番組に夢中になり、大笑いすることはそうそうありません。お笑い番組ってすごいなぁ…とあらためて思います。(笑) よく一生の中で子どもと過ごす時間について、母親で7~8年程。父親で3~4年程と言われたりしますが、そのように数字で示されると、思ったより短いことに驚きます。特に単身赴任歴10年の我が家では、父親と子どもが過ごす時間は1年にも満たない程度でしょうか。単身赴任を選択したのは大人側ですので、子ども達には少し申し訳なさもありますが…。それでも、おかげさ


一年がたちました
ほだかの里にきて1年が経ちました。 里親支援専門相談員として里親さんに関わる仕事はしてきましたが、センターの仕事は慣れないことも多く、里親さんにも職員の皆さんにもご迷惑をかけたかもしれません。 いつもいろいろありがとうございます。 ちょっと早いですが、私の一年振り返りをしたいと思います。 今年もほだかの里ではイベントがたくさん企画されました。 毎月のカフェ、各種サロン、餅つきやキャンプなどなど。 大きなところではもちつきと秋キャンプが印象に残っています。 もちつきは私が入職して以降、初めての里親さんたちとの大きな交流行事でした。 里親支援専門相談員の時には全く分かっていなかったのですが、ほだかの里の行事にこんなに里親さんや里子ちゃんが参加されるとは思っておらず・・・すみません・・・。 あまりの規模に驚いたことを覚えています。 みんなで餅つきをしながら、つき上がった餅を丸めてきな粉をまぶしたり大根のからみ餅にしたりして皆さんに食べていただく。不慣れな私がワタワタしている間に手際よく作って配ってゆくみなさんに圧倒されてしまいました。...


「ママがいい~!」について考えてみた
里親支援センターで働き始めて、もうすぐ1年が経とうとしています。 子どもの愛着について学ぶ機会が増える中で、ひとつ大きな気づきがありました。 それが、娘の口からよく聞こえてくる 「ママがいい〜!」 という言葉です。 私には小学1年生の娘がいます。もちろん今までも、「ママがいい~!」と言うのは自然なことだと理解していました。 でも、愛着について学べば学ぶほど、その言葉の背景にある“深い理由”に納得感が増していきました。 娘から「ママがいい」と言われるたびに、「どうしてなんだろう?」と考えました。自分のほうが乳児院や児童養護施設での経験もあるし、子どもの扱いにも慣れているはずなのに、「実際に今も目の前でげらげら笑ってたじゃん…」と心のどこかで思ったりもしていました。 しかし、そこで気づいたのは、「子どもの扱いに慣れているから、愛着を築ける」は必ずしも=ではない ということでした。 愛着は、赤ちゃんであれば、不快を感じたときにミルクや母乳をもらったり、オムツを替えてもらったり、構ってほしいときに笑顔であやしてもらったり、温かい声をかけてもらったり、「


子育ての振り返り<パート2>
前回のブログで、子育て観を振り返るということを書きましたが、そんな中でこの時間好きだったな、楽しかったなと思いだしたエピソードを書きたいと思います。 ① 子どもが見ているものを一緒に楽しむ喜びを感じた出来事 小さな娘と早く意思疎通できるといいなと思って、10カ月くらいからベビーサインを教えていました。1歳になった娘とベビーカーでお散歩に出かけていた時、私が花を見てきれいだね~と声をかけながらふと娘を見ると、娘は小さな手でちょうちょを作っていました。私が見ていた花の下の方に小さなちょうちょがいて、それを見てちょうちょがいると教えてくれたのです。娘が教えてくれなかったら私には見つけられなかったちょうちょ。ほんとだ~!ちょうちょいるね!すごいね~!よくみつけたね~!の声掛けにどや顔の娘。この時の事がきっかけで、視線をよく観察するようになり、娘の見ているもの、感じる気持ちを共有する喜びが増えた気がします。 ② 絵本の記録で成長を感じた出来事 仕事に復帰するまでの1年間ですが、絵本を読んだ時の反応の記録をとっていました。 それを読み返した中で、


子育てにおける新しい気づき
子どもの頃、両親のことを何でもできて何でも知っている人だと思っていました。わざわざそういうことを意識していたというよりも、当たり前のようにそういう感覚があったような気がします。 大人になるにつれて、お父さんとお母さんにも知らないことやできないことがあることに気がつきました。 自分が親の立場になっても、まだまだ知らないこと、できないことだらけ。4歳の息子に知らないことを聞かれて、正直に「かーちゃんも知らないなぁ。なんでだろうね…」と返すと、「えー!なんで知らないの!」と怒られています。(笑) 息子にもきっと、母はなんでも知っていると思われているかもしれません…。 先日里親さんたちとお話する機会がありました。 ある里親さんから、お子さんに「ママってずっとママじゃないの!?」と言われて「ずっとママじゃないよ。〇歳(お子さんの年齢)のママになるのは初めてだから、まだ知らないことがいっぱいあるよ」と返した、というお話を聞きました。 複数のお子さんを育てられている里親さんは、「子どもは一人一人違うし、子どもを迎えるたびに初めての子育てになる」とお話されていま


アニメを観ていて…
今回は私の推し活のひとつでもある“サブカル”の世界から感じたことを綴ろうと思います。アニメ、漫画、ゲーム、声優などを広く浅く楽しんでいるのですが、その中でふと心に残ったシーンがありました。 アニメや漫画には「家族」や「育てる」というテーマを扱う作品が多くあります。今回はその中でも、印象的だった『SPY×FAMILY』と『HUNTER×HUNTER』を通して感じたことについてお話しします。 『SPY×FAMILY』は、スパイのロイド(黄昏)、殺し屋のヨル、超能力者のアーニャが互いの正体を隠しながら「仮初の家族」として暮らす人気作品です。ギャグ要素が多い一方で、家族愛や温かいエピソードも多く、幅広い世代に支持されています。 作中で、養子のアーニャは心が読めるため、父や母の事情を幼いながらに理解しようとします。アーニャは随所で「要らないと言われること」や「役立たずと思われること」への不安から、勉強をがんばったり、無理に明るく振る舞ったりします。それは、「要らない」と言われないように、今の居場所を必死に守ろうとする子どもなりの努力でもあります。...


母のオムライス
「一番好きな食べ物はなんですか?」 これは自己紹介の時にたまに聞かれる質問です。 皆さんはこの質問になんて答えますか? 私は、この質問に対していつも答えが決まっています。 それは「オムライス」です。 なぜオムライスが好きなのかって? もちろん味が好きで美味しいのもあるけれども、それ以上の理由があるんです。 それは「母の思い出の味だから」。 オムライスを好きになったきっかけは高校生の時です。 学校で上手くいかないことがあり、落ち込んで家に帰ったことがありました。 そんな私を見て、母は何か言うわけでもなく、そっとオムライスを作って夜ご飯に出してくれました。そのオムライスはケチャップライスの上に焼いた卵を乗せて、そこにケチャップでニコちゃんマークの笑顔を書いてくれたものでした。 きっと母からの「元気出してね」のメッセージだったと思います。 オムライスを食べてみると、とても美味しくて、母の味に安心して。 食べ終わる頃には元気になっていました。 そこから、私の元気がない時だったり、受験生の時は試験の前日に母はオムライスを作ってくれるようになりました。...


【キャリア第三章】「児童養護施設へ転職。そして、里親支援という道へ」
こんにちは、kuboです。 いよいよキャリアシリーズも最終章。 自分のキャリア話だけで3回も引っ張ってます。ありがとうございます。 最終章でオチが滑らないよう、気合い入れて書きます。 児童自立支援施設を一身上の都合で退職したあと、地元に戻り、 児童養護施設を2か所経験しました。 1か所目は中舎制。子どもがわんさかいる学童ユニットで、職員1人あたり学童15人、幼児ユニットでは幼児多い時は10人。僕はこの2ユニットを経験しました。 正直、「これ人間業なの?」と思ったことが何度もあり、あちこちでトラブルが発生するので立ち止まる暇はありませんでした。児童自立支援施設もまあ大変だったけど、児童養護施設も負けてません。 大舎や中舎の施設では、個々のニーズに丁寧に応えるなんて、理想であり、幻。 「衣・食・住」を回すことで一日が終わる、そんな毎日でした。 個別的な対応は、緊急対応や進路支援が必要な子どもが優先になり、全員に十分な時間をかけられない現実がありました。 本当にこれでいいのかと疑問に思う日はありましたが、その現実を変えるべく働き方を変えて行こうにも児童


ベテラン里親だから安心?
先日、ある里親さんが印象的な言葉を話してくれました。 「“ベテランだから安心”って言葉、あれは支援者側の言葉だと思う。 私たち当事者は、そんなふうに思っていないし、そんなふうに言ってほしくもない。」 その言葉を聞いた瞬間、ハッとしました。 思えば、支援する立場にいると、つい「経験がある」「慣れている」ということに安心感を覚えてしまうことがあります。 「この方なら、ある程度のことは分かっているはず」「きっと上手く対応してくれるだろう」と…。 しかし、その“安心”という感覚が、いつの間にか当事者の方にとってプレッシャーや重荷になっていることもあるのだと気付かされました。 私自身も里親であり、かつ施設職員であるという立場上、そういったプレッシャーのようなものを感じ続けてきたので、この里親さんの言葉は他人事のようには思えませんでした。 「この人ならお願いできる」「ベテランだから安心」 その言葉には支援者からの信頼の気持ちが込められています。 でも同時に、その言葉を受け取る側の心には、「期待に応えなければ」「失敗できない」「頼まれたら断れない」といったプレ


「ありふれた不幸」を乗り越えるには
学生の頃は大学のすぐ近くのレンタルビデオ屋に足繫く通って、週に3~4本の旧作映画を観たり、年に数回は映画館に足を運んだりしていました。それほど映画が好きなのですが、働き始めてからは、映画を観るのはサブスクで月に1本程度。映画館に行くことはめっきり減っていました。今年の7月に...


ため息をつく
友人との会話の中で、「最近、ため息が多くない?幸せが逃げちゃうよ」と言われた。特に落ち込むことや気になることがあったわけではないが、そう言われて意識してみると何となく、知らず知らずに「ため息」をつくことが多くなっていることに気づく。 今まで全く意識してこなかったことだったから、きっと自分の中に何か変化が起きているのかもしれないと悪い方に考えが行ってしまう。そこで、「ため息」についてネットで検索をしてみると… 『ため息は、バランスが崩れた自律神経の働きを回復させようとする、体の作用。いわば機能回復のためのリカバリーショットといえます。 ため息がふと出るのは、心配事や悩みを抱えているとき。そんなときの体は、胸やお腹の筋肉が緊張して硬くなり、呼吸が浅くなっている。すると、血液中の酸素が不足気味になる。それを補うため、体は交感神経を働かせて血管を収縮させる。血圧を上げ、全身への酸素供給を維持しようとするわけだ。 自律神経のバランスを保つのは、健康の基本だ。でも、心配事を抱えた人の自律神経は、どうしても交感神経優位に偏りがちなのである。...


【キャリア第二章】とんだブラック企業!? いきなり同期がバーンアウトした話
住み込みでの生活 ― 児童自立支援施設の現場から 前回は「児童養護施設だと思って説明会に行ったら、実は児童自立支援施設だった」という話をしました。今回はその“生活編”です。 子どもと「一緒に暮らす」仕事 児童自立支援施設の職員の仕事を一言でいえば、...
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