サナギの時期
- miyamoto
- 1月1日
- 読了時間: 3分

新年あけましておめでとうございます。
今年も皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、私はほだかの里以外に自立援助ホームでも働いているのですが、このブログを書いている少し前の12月の中頃、宿直明けの帰りに、ホームの玄関先で1匹の蝶を見ました。こんな時期でも蝶がいるんだなぁと思いながら、蝶が飛ぶのを見ていました。寒空の下を風に流されまいと羽ばたいている蝶を見守りながら、ホームにいる子たちも無事に外に羽ばたいていけますように、と祈るような気持ちになりました。
かつてはアオムシの時期を過ごしたその虫は、サナギの時期を経て蝶になります。人は蝶ではないけれど、人にもアオムシの時期やサナギの時期が必要です。心理学者の河合隼雄先生は思春期をサナギに喩えていました。私も思春期の子たちと関わっているとそう思います。
「思春期」と掛けまして、「サナギの時期」と解く。その心は・・・。
これまでの経験から感じてきた「・・・」の部分を少し言葉にしてみようと思います。
食べたい、眠たい、これやりたい。そんな時期がアオムシです。この時期は欲求を繰り返し満たすことが大切です。自由に動き回って欲求を満たす。そうすることでアオムシはだんだんと成長していき、サナギの時期に移っていきます。
サナギの時期はアオムシから蝶に変わる準備期間、子どもから大人になっていくための準備期間です。サナギの殻の中ではアオムシの身体の輪郭がドロドロになります。アオムシから蝶になるまでに輪郭がドロドロになって「自分とは何か?」について考える時期、それが思春期であり、サナギの時期です。周囲を真似して取り入れた「自分」だったアオムシと違って、周りからどのようにみられているのかを気にするようになり、周囲との関係の中の「自分」というイメージが作られていきます。
サナギの時期に大切なのは殻の役割です。サナギの殻は、ドロドロになって曖昧な状態の中身をしっかりと内側に抱えます。中身を傷つけず、外の危険から守り、アオムシが蝶になるまでの曖昧さを抱え、必要な時が来たら破られる。それがサナギの殻の大切な役割です。サナギの時期の子どもにとって周囲の大人が殻の役割を担うのではないかと思います。
社会的養護の中で関わる子どもたちは、アオムシの時期やサナギの時期を十分に体験できていない子どもが少なくありません。また、十分なアオムシの体験を待たずしてサナギになっている子や、サナギの時期に急激に蝶にならざるを得なかった子もいます。
しかし、蝶と違って人の良いところは、「アオムシ⇔サナギ⇔蝶」それぞれの時期を行ったり来たりできるところです。私の働いている自立援助ホームでも、羽ばたいていった人が、生活を立て直すために舞い戻って来て、サナギの時期をやり直すことをしています(アオムシになっている時もあります)。
簡単なことではありませんが、目の前にいる子にとってアオムシの関りが良いのか、サナギの殻の関りが良いのかを見極めながら、これからも頑張っていこうと思います。







コメント