今から15年以上前のことですが、息子がテレビゲームがほしいというので任天堂Wiiというゲーム機を購入しました。
息子は、それまでにゲームのコントローラーをほとんど触ったことがなかったため、どのようにゲームのキャラクターを動かしてよいか分からないような状況だったのですが、とっくに卒業しているとはいえ、コントローラーを持つと無意識に手が動くほどゲームに馴染んできた私としては、息子がゲームをしている姿というのは非常に歯がゆい思いにさせられるわけです。
『敵が来たらタイミングを合わせてジャンプで避ける』という、私からすると何でもないことでも、息子は上手くできません。
そんな息子の姿を見て次第に「あきらめるな!」「もっと頑張れ!」という、親としてはあるまじき熱い思いが募っていくようになっていきました。
しまいにはゲームをしている息子に向かって「そこでジャンプじゃない!!」等と口を出す始末です。
親がゲームに熱く厳しいゆえ、とうとう息子はゲームが嫌いになってしまいました。
勉強にうるさく厳しい親の子どもが勉強嫌いになるのはよくあることですが、親がゲームに熱く厳しいゆえにゲーム嫌いになるというのは聞いたことがありません。
ゲームについては「何とかやめさせたい」「時間を守れない」という話をよく聞きますが、そういった方からすると私の振る舞いはとっておきの手段と言えるかもしれませんが・・・。
そして、ゲームが嫌いになった息子は、結果的に本が大好きな子になりました。
ゲームに熱中するということがなかったせいもあって「早く寝なさい」とか「早くお風呂に入りなさい」等ということを一度も言ったことがありません。
結果オーライとは、まさにこのことでしょうか…。
息子のゲーム事件から数年後、今度は娘がピアノを習いたいと言い出しました。
私は「楽しくやれればそれで十分」と思っていましたし、いつか一緒にセッションできたらどんなに楽しいだろうと夢を膨らませました。
しかし、次のレッスンまでの課題ができていないと、こちらが焦ってしまい、ついつい口を出すようになっていきました。
時には「そうじゃない!」と厳しく接してしまうこともありました。
そして、そんな親の厳しさもあり、娘はピアノを習うのをやめてしまいました。
私は、自分の子どもに対して再び同じ過ちを繰り返してしまったのです。
当然ながら今回は、結果オーライとはいきませんでした。
このことは最も大きな後悔の一つとして、私の人生史に刻まれています。
ちなみに私は絵を描くことが苦手なのですが、娘はとても絵が上手な子になりました。私からしてみると圧倒的な画力です。
子どもたちは、私から絶対に影響を受けることのないジャンルで、のびのびとその才能を伸ばしています。
そして、いま娘は中学のバレー部でレギュラー獲得のために必死で頑張っています。クラブチームにも入って、ほぼ毎日欠かさず父娘二人で試行錯誤しながらも楽しく練習をしています。
なんだか「バレーやってなくて本当によかったな」とつくづく感じている今日この頃です。
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