今年の初め頃、数枚の書類と一緒に相談のLINEが来ました。その送り主は、乳児院・児童養護施設を経て就職し、立派に社会人として暮らしています。
その相談内容は、司法書士さんから実親の保佐人選定に関する書類が届いたというものでした。
小学生の頃にはすでに実親との交流は途絶え、本人にすればすっかり関係は切れているものと思っていただけに、かなり驚いた様子でした。それも、施設から自立後10年以上も過ぎているのですからなおさらです。
おそらく、何だかよくわからない書類、それも実親の名前が入った書類が突然届いて、とても不安になったのだと思います。
〝自分が親の介護をしなければならないのだろうか?〟
〝お金がかかるのだろうか?〟
すでに自身の家庭を築いている今となっては、〝家族に迷惑をかけるのではないか?〟
そんな心配もあったかもしれません。
本人には保佐人について説明し、保佐人になって欲しいというような内容ではなく、特に心配する必要はないことなどを伝えたところ、少しほっとしたようでした。
しかし、不謹慎ではありますが、今後実親の状態が悪くなった時のことや亡くなった時のことなどについても事前に考えておく必要があることも伝え、またその都度一緒に考えていこうと確認し合いました。
〝いったい、親子って何なのだろう?〟
いろんな親子の縁がありますが、その中には残念なことに親子としてともに生きることもなく、子どもたちを苦しめる縁もあれば、幸せを運んでくれる縁もあります。
今回、子どもたちの人生の選択の岐路に立ちあう、私たちの仕事の重さを改めて感じました。子どもたちが自立し、何十年たっても決して答え合わせは出来ないかも知れません。それでも私たち大人は考え悩み続けなければならないのだと思います。
一人でも多くの子どもが良縁に恵まれ、いつか生まれてきて良かったと思える日が来ることを願っています。
Comments