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  • miyamoto

自分を思いやる時間をもつこと


 仕事の帰り道。私は車を運転しながら一人カラオケをすることがあります。一人カラオケと言っても、鼻歌だったり、メロディを口ずさんだりがほとんどですが、高速道路を走っている時は歩行者を気にする必要がないので、大きな声で熱唱する時もあります。


 車内一人カラオケの選曲には(通常のカラオケでもそうだと思いますが)その日の気分が影響します。「今日は上手くいったぞ」と嬉しくなった時や「今日はダメだったなあ」と落ち込んだ時など、その時その時の気分で歌いたい曲が変わります。


 私が落ち込んだ時によく歌うのはBUMP OF CHICKENの『ガラスのブルース』という曲です。この曲は中学生の頃から好きな曲で、今でも聴き続けています。この曲のBメロの部分が特に気に入っていて、ふとした時にその部分だけ口ずさみたくなることもあります。こんな歌詞です。


「声が枯れたなら川に行こう

 水に映る顔を舐めてやろう

 昨日よりましな飯が食えたなら

 今日はいい日だったと空を見上げて笑い飛ばしてやる」

 (BUMP OF CHICKEN『ガラスのブルース』より)


 この曲を知らない人からすると「水に映る顔を舐めてやろう」という表現に少し違和感を覚えるかもしれませんが、これは歌の中に登場する猫の目線で書かれた歌詞なので、猫の行動だと思ってください。この「水に映る顔を舐めてやろう」という表現には、二つの意味があると私は思っています。一つ目は、声が枯れたから川の水を飲んで喉を潤すということ。二つ目は、水に映った“自分”に対して思いやりの気持ちを向けるということです。鏡に映る自分に「よくやった」と声をかけるような感じだと思います。


 二つ目の意味を考えながら歌っていると、私も「水に映る顔を舐めてやろう」と少しだけ自分に対して優しい気持ちを向けることができるようになります。自分に対して優しい気持ちを向けることができると、上手くいかない時でも「上手くいかなかったけど、よくやった部分もあるのではないか」と考え始めることができますし、もしよくやった部分が見つからなくても「それでも頑張って一日を乗り越えることはできたよな」と思えたりします。そして最後には「次も頑張ろうかな」と思うことができるのです。


 大切な人にやさしく接するのと同じように、自分に思いやりの気持ちを向けることを、心理学ではセルフ・コンパッション(Self-Compassion)と呼ぶそうです。自分に思いやりの気持ちを向けることは、心を少し前向きにすることやストレスの軽減に繋がります。

 

 ちょっと上手くいかなかったくらいで自分を甘やかしてはいけない、と思う人もいるかもしれません。確かに辛い時に自分を叱咤して乗り切るというのも大事なことです。しかし、そればかりだと苦しくなるものです。いつでも自分に思いやりの気持ちを向ける、というのは難しいかもしれませんが、日々の生活のちょっとした瞬間にそういう時間を作ってみるのも良いかもしれません。


 最後に余談になりますが、高速道路を走りながら歌に夢中になってしまい、インターチェンジを降り損ねたことがあります。しかも、3回も。なかなか上手くいかないものですね。皆さんも運転しながら一人カラオケをする時はくれぐれもご注意ください。

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