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mune

子どもからのまなざし


私は、これまでの人生で忘れた傘を集めれば、立派な傘屋ができるんじゃないかというくらい、傘を忘れ続けてきました。


例えば、店の傘立てに入れて、店を出る際に雨が降っていないような場合、忘れずに傘を持ち帰ったことは殆どありません。

傘だけでなく公共交通機関をはじめ、あらゆるところにあらゆるものを寄贈してきました。

振り返ってみると、開店できるのは傘屋だけではないかも知れません。


私からすると、「なぜ多くの人は、帰りに雨が降っていなくても、傘を持ってきたことを思い出せるのだろう」と不思議な感じさえします。


ただ何度失敗しても、傘立てに入れる時は「今日は大丈夫だろう」と思ってしまうので、また同じことを繰り返してしまいます。

要するに、この「大丈夫だろう」という気持ちが諸悪の根源なわけです。


忘れ物に限らず、人生で失敗するときは、大抵この「大丈夫だろう」という慢心から起こってきます。

よって、何度失敗しても湧き出てくる妖怪“大丈夫太郎”との戦いが、私の主戦場の一つとなっています。



ちなみに忘れられないのは、娘がまだ2歳の時の出来事です。


私がいつものように傘を店の傘立てに入れて、帰りは晴れていたためそのまま店を出ようとしたのですが、娘が店を出る前に「かさ!」と言ったんです。

あれは本当に驚きましたね。


年齢を重ねただけではどうにも埋められない、人としての器の差をまざまざと見せつけられた気がしました。


いつ何時も、『子どもからのまなざし』を侮ってはいけませんね。



ちなみに今は、傘を持たないようにしたので、傘の忘れ物は無くなりました。

やはり子育てでも同じですが、意識ではなく仕組みによる解決が確実なんだと改めて実感しています。




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