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  • inoue

入院体験記


ここ何年か健診で胆嚢胞があると指摘を受けるようになり、その後、胆嚢胞から胆石となり、ついに年末に手術を受けることになりました。

手術に向けて、忘年会も我慢して体調に気を付けていましたが、入院の直前にインフルエンザに罹って入院が延期となるハプニングもありましたが、何とか年内に入院し手術を受けることができました。


入院のため病棟に入ると、久しぶりの匂い、音、雰囲気に懐かしさを感じました。15年前まで、私も看護師として病棟勤務をしていました。ナースステーションの看護師さんたちの様子にその頃の自分が重なります。上の子の委託を受けるために仕事は辞めることになりましたが、できれば仕事を続けたかった思いもよぎりました。

思い出はさておき、今回は生まれて初めての入院、手術です。患者の立場で、病院を見ることできます。自分が看護師であることは言わないと決めていました。なんだか潜入調査の気分で少しワクワクしました。

入院日はそんな余裕もあり、最近ドラマでも見るナースエイドの方々の多さや活躍ぶりに感心したり、変わらず忙しい様子の看護師さんを観察したり、病室の壁と天井に付いている染みを見つけて、何かの処置で付いたのだろうな…従事者は気にならない程度でも患者は気になるな…と壁の染みを拭き取ってみたりしていました。


術前訪問として麻酔科の先生が来られました。私と同年代くらいの女医さんで、とても気さくな感じで、手術について分かりやすく丁寧に説明してくれました。胆石の話から「モツとか魚卵系が好きなんですよね…」と言うと「わかるー」と笑顔が印象的でした。

翌日、緊張して手術室に入る私に、この先生が笑顔で迎えてくれたことがとても心強く、安心できました。


手術が無事終わり、翌日まで寝たきりの状態は本当に長くて辛い時間でした。傷の痛みで寝返りもできず、両足は血栓予防でフットポンプにつながれ、手には点滴、尿管も動きを妨げます。時々来てくれる看護師さんに、向きを変えたい、背中に枕を入れて欲しい、背中が痒い等々、どれも言う事ができませんでした。痛み止めをお願いして、時間が経つのを待つのみです。天井の染みを見つめながら、やっぱり気になるな…と。


身動きが取れないまま、ようやく朝になりなりました。看護師さんが来て「今からレントゲンを撮りに行くので起きてください」と言われ、「い、痛いー」と言いながら必死で起き上がる私をただ黙って見ているその人は鬼監督のように見えました。

2日目、まだまだ痛み止めを飲まずにはいられない私に主治医は「まだ、痛いかぁ」と笑顔です。あの看護師さんも先生も自分のお腹切られたことないんだ!と思いながら、看護師だったあの頃の自分も未経験の痛みに、どれだけ寄り添えていられたかな…。でも、「良くなるまで痛み止めを使いながらで良いですよ」「次は何時頃に飲むと眠れるかもですね」と言ってもらえるだけで安心できたので、必ずしも経験が必要ではない事も分かりました。


痛みも少しずつ和らぎ、経過も良好という事で12月30日に退院することができました。

年末年始は何もせず、夫と子ども達が食事、家事を手分けしてこなしてくれました。私は「イテテテ…」と言いながら、高待遇に甘えてお姫様気分です。

ソファで寛ぐ私に子ども達が「ママがゆっくりしてるのって良いね。これからもオレ達が手伝いするからゆっくりしてね」と言ってくれました。

また、1日の地震は名古屋でも震度4あり、大きく長く揺れました。家族でテーブル下に入り、「大丈夫だよ」となだめていると、揺れが収まった時、下の子が「ヘルメット!」と2つのヘルメットを取ってきました。1つは自分がかぶり、もう1つは兄に渡しました。受け取った上の子は迷うことなく、隣の私にそのヘルメットをかぶせてくれたのです。

いつの間にか子どもが私を守ってくれる程に成長していることに気が付いた瞬間でした。

私の入院は子ども達にとっても貴重な経験となり、成長する機会となったのでしょうか


日毎に体調も回復し、仕事にも復帰しました。新学期も始まり、忙しい毎日です。子ども達にお手伝いを頼むと「はぁーなんでオレが?お前やれ!」と擦り付け合う兄弟に戻ってしまいましたが…。まだまだ母として子ども達を守り、世話が焼けることを嬉しく思いながら今年も我が家らしくいられたらと思います。

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